事業とお金に関する話

  お金。日々の生活にも、もちろん事業を進める時にも、お金は必要です。
 どこぞの中間管理職のように「金は命より重い……!」等というつもりはありませんが(笑)、商売を始める時も、そして続けていくときもお金はやっぱり必要です。というよりも、お金がなければ物事を先に進めることができません。
 では、そのお金を準備するためにはどうしたらいいでしょうか?方法は「働いてor商売をしてお金を貯める」又は「誰かから借りる」のいずれかになるかと思います。……あ、「宝くじを当てる」という発想は無しの方向で……。
 働いて(商売をして)お金を貯めるのが基本的な方法になると思いますが、時間がかかるというのが欠点です。「手元にはないけれど、すぐに100万円必要なんだ!」という場合でも、100万円貯まるまでにある程度時間が必要です。その間にチャンスを逃すことだってあるでしょう。
 そこで「誰かから借りる」という選択肢になるわけですが、それもいくつか方法があります。


 (1)家族から借りる
 (2)友人から借りる
 (3)銀行から借りる
 (4)民間の貸金業者から借りる
 (5)その他の金融機関から借りる

 1が一番確実かもしれませんが、あなたのご家族も、そんなまとまったお金を持っているとは限りません。ご家族の生活もありますし。次に2ですが、これもご友人がそんな大金を持っている(貸してくれる)とは限らず、これまでの信頼関係もあるでしょう。「あなたが必ず返してくれる」と信頼してくれているかどうかがカギになってきます。
 では3ですが、大手の銀行がお金を貸してくれるものでしょうか?2と似たようなものですが「あなたがどの程度信用できるか(この人はどのぐらいの稼ぎがあって、返済してくれる可能性は高いか)」が指標になってきますが、住宅ローンを借りる場合と違い、これから飲食業を始めようという人に対して、すんなり貸してくれる可能性は低いでしょう。ゼロではありませんが、相当ハードルは高いです。
 4については、かなりリスクがあります。すぐにお金を準備できるかもしれませんが、利子率が高く、返済期限も短め、というデメリットもありますので、正直なところ私としてはお勧めできません(他にもまあ、理由はありますが今回は割愛させてください)。
 そこで、5の方法ということになります。
 皆さんは「日本政策金融公庫」という機関をご存知ですか?正式には「株式会社日本政策金融公庫」と呼ばれる特殊会社で、財務省が所管する政策金融機関(政府系金融機関)の一つです。平たく言えば、事業を営む(営もうとする)皆さんに、事業資金を融資することを目的とした機関で、一定の要件をクリアすることで、この機関からお金を借りることができます
 銀行と比べて借りやすく、貸金業者よりも返済が厳しくはないため、新規で事業を始めようとされる方には最適の方法でしょう。無担保・無保証人での融資も取り扱っていることから、ハードルはかなり低いはずです。数千万円の資金を準備できるわけではありませんが、まずはここで準備を整えて事業を軌道に乗せ、社会的な信用力を強化することでゆくゆくは銀行からも融資を受けることができるようになるかもしれません。

 ただ、ここで一つご注意です。
 融資とはいえ、お金を借りていることに違いはありません。だから(先に挙げたどの方法を選ぶにしても)お金を借りる時には、借りた分以上の利益を出して、利息をつけて融資してくれた人(ここでは公庫)に返すことを意識するようにしましょう。公庫の場合で、一般的な運転資金を借りようとするときは、返済期限は7年以内という目安もありますので、私たち税理士と一緒に、返済プランだけではなく、事業を進めて利益を上げていくためのグランドデザインを進めていきましょう。
 
 私たち税理士は、公庫とも連携していますので、ご相談いただければ私たちを通じて公庫から融資を受けることも可能です。開業資金や運転資金(お店を回していくために必要なお金)が必要な方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

※文中の「日本政策金融公庫」をクリックすると公庫のWebサイトが別タブで表示されます。

 

2019年08月30日