収入と支出のバランス


 飲食物を提供する場合、材料を仕入れてきて、それを調理してお客さんに提供することになりますね。扱う品物によって変わってきますけれども、当然、食べ物の材料を何処かから買ってこなければいけません。その材料も気候とか経済情勢に左右され易いものですから、今、自分が取り扱っている品物の原材料費はいくらぐらいかかっているのか、という点は常にチェックしておきましょう。私たち税理士は「原価」と呼んでいますが、この点は飲食業の経営に重要な要素です。また、材料費だけではなく、テナントの賃料やアルバイトさんに支払っている給料についても、毎月どのぐらいかかっているのかはきちんと把握しておきましょう。ここまでが「支出」の話です。





 続いて「収入」の話です。お店なわけですから、タダで料理を振る舞っているわけではありませんよね?〇〇セットで1,000円とか、▲▲定食で850円とか、値段を決めて売っていると思います。この辺りは、同じようなサービス(飲食物)を提供しているお店の値段が参考になってくると思いますが、これも難しいものです。安くすればお客さんもたくさん来るかもしれませんが、その分、売れる量も少なくなります。逆に、高くすれば儲けも多くなりますが、高い値段を嫌がってお客さんが来ないかもしれません。さじ加減って難しいものです(私たち税理士も同じように悩んでいますが……)。そこで、何かプラスの要素を足してみて、少しでも値段をプラスしてみる、というのも一つの考え方です。他のお店と比べて少し割高感はあるけれども、また来たいと思わせるような工夫ですね。それは味だったりお店の雰囲気だったり、接客の良さだったり、色々な要素があると思います。そうした要素をミックスして、毎月の売上高がどのぐらいであるのか、という点も経営者として把握しておきましょう。